“世界一の鉄道旅”に3年連続「ななつ星in九州」 15位にもJR九州の列車を選出 米旅行誌

米大手出版社コンデナスト社の旅行誌「コンデナスト・トラベラー」が実施する、世界の優れた旅行先を選ぶ読者投票のトレイン部門において、JR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」が3年連続で第1位を受賞しました。

JR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」車内にあるスイートルーム(画像提供:JR九州)
JR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」車内にあるスイートルーム(画像提供:JR九州)

世界で最も歴史と権威がある旅ランキング

コンデナスト・トラベラーは、北米を中心にヨーロッパ、中東、インドなどグローバルに展開している、ラグジュアリー層に向けた上質な旅行誌です。毎年実施している読者投票企画「コンデナスト・トラベラー リーダーズ・チョイス・アワード」は、各国のホテルや都市、リゾート、クルーズなど、観光業界に関連するさまざまな部門から旅行体験が取り上げられています。

旅に関するランキングでは世界で最も権威があると言われており、36回目となる2023年の受賞者は約50万人の読者投票により決まりました。鉄道旅行はゆったりとした旅情を求める冒険家や環境意識の高い人に支持されているとのことで、ランクインしているのは新幹線などの高速鉄道ではなく、長時間ないし数日間かけて移動体験そのものを楽しむ観光列車や寝台列車などが中心です。

ヨーロッパ鉄道旅行の象徴的存在である3位の「ベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレス」、インドの世界遺産巡りを提供する2位の「パレス・オン・ホイールズ」を抑え、JR九州の「ななつ星in九州」が堂々1位に輝きました。

高く評価された同列車のこだわりは、最大20名に限定して極上のサービスを提供している点、ベッドや洗面台、陶磁器製のディナープレートに至るまで隅々まで日本の職人が手作りしている点などです。九州を一周する3泊4日の道中、地域に根ざした神社や温泉、陶芸工房などに立ち寄りながら、有名観光地巡りとは一線を画した日本の本質を探求できると、乗車中以外の魅力にも言及しています。

(「コンデナスト・トラベラー リーダーズ・チョイス・アワード」トレイン部門の受賞者など詳細は下の図表を参照)

【図表で解説】「コンデナスト・トラベラー リーダーズ・チョイス・アワード」トレイン部門の受賞者

「36ぷらす3」は“旅館のような雰囲気”

そして、2020年10月16日に運行を開始し、まもなく3周年を迎える観光列車「36ぷらす3」も初めて第15位にランクインしました。ダブル受賞はJR九州にとって初の快挙です。

ななつ星in九州と同様に九州各地を周遊する36ぷらす3ですが、寝台設備を備えておらず、列車からの景観や食事を楽しむデイトリップを1日からでも気軽に体験できるのが特徴です。かつてのフラッグシップ特急「つばめ」に使用された787系電車を黒く塗装し、ビュッフェやグリーン個室を備えた専用編成で運行しています。

同誌は珍しい列車名にまず着目し、九州が世界で36番目に大きい島であることに加え、旅に「乗客」「地域の方々」「JR九州」という3つの主要な登場人物がいると、由来も説明しています。個室と共用スペースを組み合わた車内は旅館のような雰囲気で、地元の技術で作られた完璧な木工品や家具がそれを特徴づけているとしています。1日だけの乗車でも充実した旅を味わえると好評です。

ほかにも、標高4000m級のアンデス山脈を縫うように走るペルーの「ベルモンド・アンデアン・エクスプローラー」など、世界の名だたる列車が上位にランクインしています。公式サイトに掲載されている各列車の紹介文を読むだけで、誰でも想像の世界での鉄道旅行に出発することができます。

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